台風が近づいてきていて、激しい雨と風がすでに吹き荒れています。私の生まれ育った高知は昔は頻繁に大きな台風が来ていましたが、近年はそれほどでもなく、日本に来る台風のルートが変わったのだろうと思っていました。でも、前回と今回のものはひどい大雨を長時間降らせて、まるで昔に戻ったようです。 子ども時代の台風の思い出というと、床下浸水で大変だったことが数回ある以外は、私にはそんなに悪いものはありません。外は大荒れで時々停電しても、家の中で家族みんなが一部屋にあつまり、ろうそくのあかりのもとでラジオを聞いたりするのは、とても「非日常的」でわくわくしたものでした。普段はあまり意識しない家族のぬくもりや安心感を十分に感じたせいでしょう。でもそれは、別の見かたをすれば、外でどんなことがおきても自分たちは安心していられるという自己中心的な満足ですね。両親などおとなは少し心配していたでしょうが、子どもの方はお父さんとお母さんがそばにいればなんの不安もなかったので、この一時的な「閉じこもり」がけっこう楽しかったのです。 今はおとなになってしまい、台風が来ても地震が来ても誰も私を守ってくれる人はありません。自分の身を自分で守るために、普段から体力をつけ、危険情報にアンテナを張り巡らしておかなくてはなりません。子ども時代にかえりたいわけではないのですが・・・。