私の今までの人生において役に立った本ベスト10内に入る懐かしい古本をネットで買いました。三浦一郎先生の『年号記憶術 世界史を俳句で覚える本』(カッパ・ブックス、1968年刊)です。中学生か高校生の時にこの本を手に入れて読んだのですが、その内容は50年以上たっても記憶に残っています。フランス革命は「パリっ子の非難波及(1789)し大革命」、ヨーロッパのペスト大流行は「移民しな(1347)ペストの及ばぬところまで」とか、世界史の重要な年号が解説つきで簡単に頭に入ってきました。古今東西の年号が取り上げられていますが、なかには『カーマスートラ』成立「セックスは産後は(350)するなとスートラ言い」とか、『デカメロン』が出たのは「デカメロン意味しんしん(1344)の物語」とか、あまり重要ではなさそうなのに、著者の好みで選ばれたような年号もありました。もちろん私はすべて素直に暗記しました。世界史・日本史ともに大好きだったので、年号を覚えるのは楽しかったのです。今でもこれらの俳句をよく覚えていて、つい口に出てしまいます。恐るべき影響力を持った本だと思います。