戦争の記憶

 今日は8月15日、終戦記念日です。私の親族にも太平洋戦争に従軍した人や戦死者はいます。しかし、日本の戦争を考えるとき、まず私の頭に思い浮かぶのは、父方の祖父のことです。私の親族の中で、おそらく最初に外国に行ったことがあるのはこの祖父だったのでしょう。というのも、祖父は若い頃に日本のシベリア出兵(1918~1920年、ロシア革命への干渉戦争のひとつ)でシベリアに送られた兵士のひとりだったからです。ずいぶん昔に亡くなった祖父の存命中に、私は彼から戦争の話を聞いた記憶はありません。あるとき誰かが祖父にシベリア出兵で何がいちばん記憶に残っているか尋ねたら、「ロシアの農民は歌がうまかった」と答えたということです。それは私に多くのことを想像させました。日本の農民だった祖父は本当は何を見、何を感じていたのだろうかと。私の親族内では珍しく優れた身体能力を持ち、実際的な才覚も持っていた祖父でしたから・・・

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