記憶のメカニズム

 今朝は早く目が覚めてしまいました。阪神淡路大震災の日だからというわけでもないのでしょうが、あの時のことを思い出してしまいました。倒壊した私たちの家をあの日すぐに訪ねてきてくれた友人夫妻の顔が浮かんだのですが、名前がどうしても思い出せないのです。地震後いろいろなことが起きて、今は日本におらず消息不明の友人たちですが、顔やしぐさなど細かいことはとてもよく覚えているのです。でも、どうしても名前が出てきません。目がすっかりさめてしまった私は寝るのをあきらめて、もう何年も見たことがなかった古い住所録や名刺ホルダーを引っ張り出してみました。そうすると30年以上前に出会った人たちや名刺交換した人たちの名前やアドレスが次々と出てくるのです。そこには、いったいどういう経緯で会った人なのか思い出せず、もちろん顔などまったく浮かばない名前がたくさんありました。人間というのはどんどん古い記憶を捨てていくものなのですね。幸い、例の友人夫婦らしき電話番号(当時のもの)があったので、なんとか名前を思い出しました。ふたりは今頃どうしているだろうかと考えながら、その名前をメモしたところです。記憶のメカニズムは本当に奇妙ですね。ふたりについてあれほどたくさんのことをまだ覚えているのに、名前だけがすっぽり抜け落ちてしまっていたとは・・・。

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