今日はクリスマスイブですが、朝から晩まで忙しくしていて、普通の日とほとんど変わらない1日でした。2年ほど前まではホームパーティをやったり、レストランのクリスマス・ディナーに行ったりしていたのですけれど。私はキリスト教徒ではないのですが、小さい頃からサンタクロースとそのプレゼントを楽しみにする子どもだったので、おとなになってもクリスマス(というよりはクリスマスイブのほう)はとても大切な日だったのです。でも、いろいろな理由でだんだんクリスマスの楽しみが消えていき、去年はなんと12月24日の朝方発熱して新型インフルエンザと診断され、クリスマスもお正月もない冬休みでした。それと比べると今年はずっとましです・・・。
外国の非キリスト教徒にとってもクリスマスは楽しみなのだろうかと考えた時、最近読んだフランスのドキュメンタリー本を思い出しました。著者はフランス人の若い女性で、20歳の頃、イスラームに改宗します。同じような経歴を持つ男性と結婚して子どもが生まれるのですが、イスラームの世界に心酔する夫とは対照的に、彼女はだんだん自分たちの結婚生活と信仰に疑問をもつようになってくるのです。子どもたちは普通の小学校に通っていて、当然のようにサンタクロースとそのプレゼントを楽しみにしています。イスラーム教徒となった彼女はもはやクリスマスを祝わないのですが、子どもたちがあまりに期待にみちた顔をするので、サンタの存在を信じるのを容認してしまいます。その時に、彼女は自分がどっちつかずであること、もはやキリスト教徒でもなく、芯からのイスラム教徒でもないことを痛感するのです。結局彼女は夫と離婚し、信仰も捨ててしまいます。宗教に関する自分の迷いを彼女に自覚させたのは、クリスマスとそれに結びついたかずかずの思い出だったのです。
この本のように深刻な話でなくても、小さいころからの習慣、それも何か楽しいことと結びついている習慣から離れていくのはさびしいことです。初もうで、夏祭り、花火、すいかわりといったものとも近年はご無沙汰です。来年はだれか仲間をみつけてぜひもう一度、と考えてしまいます。