コロナ禍で戻れなかったので、3年半ぶりに帰省中です。2年前に定年退職して、研究室においてあった本や自宅マンションに置けなくなったものをこちらに送っていたので、段ボール箱30箱ほどに入れた本を片づけなくてはならなくなりました。コロナ前に大きな本棚を2つ買っていたので、そこに並べたものもありましたが、それではもちろん足りません。でもこちらの家にはすでにたくさん本棚があってこれ以上増やすのは無理だとわかりました。それで漫画本を含む数千冊の本を選別して、置けないものを廃棄することにしました。
実は、私は今まで一度も本を捨てたことがなく、手元に置けない書籍は古本屋に引き取ってもらったり、人にあげたりしていたのですが、今回はそれもむずかしかったのです。二度と読まないのが分かっている本、いたんでしまった本、内容が古くなった実用本、あまりにもくだらない本(それでも今までは捨てられなかったのですが)、古い雑誌など、全部で20箱ほど廃棄することにしました。50年近く前に誰かからもらった、当時は新品だったマルクスの『資本論』全巻(ハードカバー、箱入り)も手放すことにしました。とにかく重くて場所ふさぎだったのです。友人に譲ろうとしましたが、誰も欲しがらず・・・。私もほんの数回、ちらちら中をのぞいた程度でした。
私にとって本を捨てるということは、大袈裟に言うと、今までの自分の生き方を総点検するような出来事でした。