-La Petite Fadette(1849年刊)『愛の妖精』(岩波文庫、1836年刊) 村の裕福な農家に生まれたかわいいふたごの兄弟シルヴィネとランドリーの子供時代から青年時代までが描かれている。弟ランドリーは、頭はいいが不器量 で村の嫌われ者の少女ファデットふとしたことで親しくなり、彼女の本当の優しさを知って愛するようになる。ファデットは、恋人ランドリーの愛と忠告のおか げで、だんだん美しい娘になっていく。そんなふうに弟の心を奪ったファデットに嫉妬していたシルヴィネもいつの間にか彼女に惹かれていく。彼は潔く恋心を おさえて村を出、ナポレオン軍の兵士となって出世する。
「田園4部作」の第3作であり、サンドの最も有名な小説であろう。子供向きに書き直されたものも含め数多くの日本語訳がある。